Web担当者退職に備える引き継ぎ準備の進め方

Web担当者退職に備える引き継ぎ準備の進め方

「来月でWeb担当者が辞めてしまうんですが、どうしたらいいですか……」

先日、戸田市内の製造業の会社様からこんな相談をいただきました。担当者が突然転職を告げてきて、気づいたら引き継ぎ期間がたった3週間しかない、という状況です。サイトのパスワードも更新方法も、担当者の頭の中にしか入っていない状態で、社長さんはかなり青ざめていらっしゃいました。

実はこれ、決して珍しい話ではないんです。弊社ミアキスに寄せられるご相談のうち、約65%がWeb担当者の退職や異動をきっかけにしたものです。「引き継ぎが全然できていなかった」「ログイン情報がわからなくて更新できない」という声は、埼玉県内の中小企業様から本当によく耳にします。

今回は、Web担当者の退職に備えた引き継ぎ準備の進め方を、実務目線でお伝えします。退職を告げられてから慌てて動くのではなく、「備え」として今から動ける会社になってほしいというのが、この記事を書いた理由です。

なぜWeb担当者の引き継ぎは失敗するのか

一般的な業務の引き継ぎと違って、Webサイトの引き継ぎが特に難しい理由があります。それは、「見えない資産」が多すぎるからです。

たとえば、こんな情報は担当者しか把握していないことがほとんどです。

  • サーバーやドメインの契約会社・ログイン情報
  • CMSの管理画面のID・パスワード
  • Googleアナリティクスや Search Consoleのアカウント
  • SNS公式アカウントの管理者情報
  • 定期的な更新作業の手順や注意事項
  • 外注している制作会社・フリーランスとの連絡先・契約内容

これらは「なくなって初めて困る」情報です。担当者が元気に働いている間は誰も気にしないから、整理されないまま放置されがちなんですよね。

弊社が引き継ぎ支援に入った案件でよくあるのが、「退職した前任者に電話してパスワードを聞いた」というケース。でも前任者が快く対応してくれればいいですが、関係が良くない場合や、本人もわからなくなっているケースもあります。人が変わっても会社のWebサイトは回り続ける仕組みを作ることが、本質的な解決策です。

退職が決まったら最初の1週間でやること

退職を告げられてからでも、動き方次第でダメージは最小限に抑えられます。まず最初の1週間で取り組んでほしいのが、「棚卸しリストの作成」です。

棚卸しリストに含めるべき項目

退職する担当者に協力してもらいながら、以下の情報を一覧化してください。書式はExcelでもNotionでも構いません。とにかく「一か所にまとまっている状態」を作ることが大事です。

  1. 契約情報の整理:サーバー、ドメイン、CMSの契約会社名、契約プラン、更新日、費用
  2. ログイン情報の一覧:各サービスのID・パスワード(1Passwordなどのパスワードマネージャーに移行できればベスト)
  3. 定期作業のマニュアル化:月次・週次で行っている更新作業をスクリーンショット付きで手順書にする
  4. 外部との連絡先リスト:制作会社、フリーランサー、広告代理店の担当者名と連絡先
  5. 現在進行中の案件・タスク:制作中のページ、依頼中の作業、決まっているキャンペーン

このリストを作るだけでも、引き継ぎの質はまったく変わります。先ほど紹介した戸田市の会社様も、退職まで3週間しかない状況でしたが、この棚卸し作業を弊社と一緒に進めることで、主要な情報は2日間で整理できました。

後任担当者がいない場合の現実的な対処法

中小企業でよくあるのが、「Web担当者が辞めたけど後任を採用できていない」という状況です。社長や総務担当者が引き継ぐことになって、でもWeb知識がないから何もできない……という八方塞がりな状態になりがちです。

こういうときに取れる選択肢は、大きく3つです。

選択肢1:社内で誰かに兼任してもらう

Web知識がある若手社員に任せるパターンです。ただし、「本業があるのにWebも担当する」という二重負担は長続きしないことが多いです。あくまで短期的な措置として考えましょう。

選択肢2:外部のWeb制作会社に保守運用を委託する

更新作業や定期的なメンテナンスをまるごと外注する方法です。弊社ミアキスでもこうした保守・運用のご支援をしており、月次での更新対応からセキュリティチェックまで対応しています。サービスの詳細はこちらからご確認いただけます。費用感については料金プランのページをご覧ください。

選択肢3:新規担当者を採用するまでの期間、最低限の体制を組む

採用に3〜6ヶ月かかる企業が多い現実を踏まえると、その間だけでも外部サポートを入れておくのが現実的です。採用後に改めて内製に戻すことも可能です。

どの選択肢が合うかは企業の規模や予算によって変わります。迷ったら一度相談ベースで話を聞いてもらうのが一番早いです。

実際のご相談から学ぶ:よくある失敗パターン

【ご相談事例】さいたま市の小売業・従業員20名の会社様より

「Web担当者が急に辞めることになり、GoogleアナリティクスとSearch Consoleの管理権限が担当者個人のGoogleアカウントに紐づいていることが発覚しました。退職後はアクセスできなくなってしまい、半年分のデータが引き継げない状態になっています。今からでも何か対処できますか?」

【ミアキスの回答】
残念ながら、個人アカウントに紐づいたデータの引き継ぎは非常に困難です。ただし、Googleアカウント自体を会社に譲渡してもらう形で解決できるケースもあります。まず元担当者と連絡が取れるうちに、管理者権限を会社のGoogleアカウントに「追加」してもらうことを最優先で進めてください。退職前に対処できれば、データの断絶は防げます。今後のために、すべてのWebサービスは会社ドメインのメールアドレスで登録することを社内ルールにしておきましょう。

このケースのように、個人アカウントを使って業務を回しているケースが非常に多いんです。弊社の経験では、引き継ぎ支援に入った案件の約70%で、何らかの個人アカウント問題が発覚しています。在職中のうちに棚卸しするのが、もっとも確実な対策です。

今すぐ始めるための引き継ぎ準備チェックリスト

退職予告があってからではなく、今この瞬間から準備できることをリストアップしました。担当者が元気に働いているうちに整備しておくのが理想です。

  • すべてのWebサービスが会社のメールアドレスで登録されているか確認する
  • サーバー・ドメインの契約情報と更新日を一覧化する
  • ログイン情報を会社共有のパスワードマネージャーに移す
  • 月次の定期作業を手順書にする(スクリーンショット付き)
  • 外部制作会社・フリーランスとの契約内容と連絡先をまとめる
  • GoogleアナリティクスやSearch Consoleに会社アカウントの管理者権限を追加する

このチェックリストを見て「できていないものがある……」と気づいた方、安心してください。ほとんどの中小企業が同じ状況です。大事なのは、気づいた今から動き出すことです。

Web担当者の退職は、たしかにピンチです。でも見方を変えれば、これまで一人の担当者に依存していた体制を見直す絶好のタイミングでもあります。引き継ぎ準備を機に、「誰が担当になっても回るWebサイト運営の仕組み」を作っていきましょう。

ご不安なことがあれば、いつでも弊社にご相談ください。戸田市のオフィスから、埼玉県内はもちろん全国のWeb運営のお悩みにお応えしています。まずは気軽にお問い合わせからどうぞ。

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